ウルトラ作戦◯◯号

映画の感想を中心に日々のことをつらつらと書いていきます。

『ワイルド・スピード SKY MISSION』があまりに力技だった話

 

着々と観進めているワイスピ。

今回はシリーズ7作目の『ワイルド・スピード SKY MISSION』だ!

 

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↓前作の感想

 

 

 

 

なんだろう…この映画は…。

いつも通りにエンジン全開!

すごく面白いけど、これまでとは少し印象が違う。

 

 

前作までは立ち向かう驚異のスケールをデカくしながら徐々にパワーアップしつつ、仲間たちとシリーズを積み上げていっていた印象だった。

今作は前作を踏み切り板にして思いっきり飛び出して来たようなイメージ。

ならず者集団(ファミリー)が仲間のために巨悪に立ち向かう最近の路線は変わらないが、「復讐vs復讐」ということで各地で襲撃するされるを繰り返しながら絵面を強めていく。

正統派にアツい展開だった前作との差別化を図ったのかもしれない。

 

 

 

今回のテーマは「車×空中戦」!

もう普通にカーチェイスしても成り立たない領域まで来てしまったらしい。

なら空を飛ばしてしまえ!という結論に至るのが素晴らしい。

予告編にもある通り、車を乗り換えて飛ばしたり乗り換えて落としたりを繰り返し、結果として映画自体も少し宙に浮いている。

 

 

特に最終決戦は、「特殊部隊のバックアップ無し」のファミリーのみで、「ミサイルやらマシンガンやらぶっ放してくるテロリスト集団」と「市街地」でやりあうというぶっ飛び具合。

あの特殊部隊は壊滅させられた10数人でフルの勢力で全員だったのか…。本部に連絡も行かないのか…。時々パトカー来てたけど、それどころの話じゃないだろ…。

 

 

 

でも考えてみれば、元々おかしいことは連発されるシリーズなので正当進化と言ってしまえばそれまでである。

シリーズらしさは全開で、いつも通り観ている間は大して気にならない。『BLEACH』と『テニスの王子様』みたいなドライブ力がすごい!

 

 

 

ローマンが忘れた頃に覚醒する、レティが格闘女とやりあうなどお約束のコーナーをしっかりこなし、いつものワイスピを感じさせてくれる荒技。

しかもストーリー的に少し切り離されていた『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』を完全に拾いきる好プレー。

ハンの死やラストのドミニク登場がシリーズの中で大きな意味をなすようになってしまった。

ファミリー精神の為せる技だ!

 

 

 

 

 

それにしてもファミリーのパワーを一手に引き受けて、互角以上に戦うジェイソン・ステイサムには頭が下がる。
数々の死線をくぐり抜けて来た彼らの相手は、並大抵の戦闘力では務まらない。
ステイサムなんて配役はゴリゴリの俳優パワーを使った説得力の暴力だが、ここまでくればむしろ気持ちいい!
もっともっとパワフルスキンヘッド俳優を増やしてくれていい。

 

 

個人的なお気に入りキャラのドウェイン・ジョンソン演じるホブスは序盤でステイサムに負けて入院。
もう今回の出番はもう無いかと思いきや…、仲間のピンチに大型トラックを無人戦闘機にぶつけながら登場!
そして戦闘機の機銃を引きちぎってヘリに乱射!なんなんだお前!
警察の人間なので少し立場は違うはずが、結局はおいしいところを持っていってしまう。
やっぱりイカすぜ!ホブス!

 

 

 

 

 

 

 

キャストとシリーズと映像の力技を何度も見せられた先にある着地点はブライアンとの別れ。

演じるポール・ウォーカーの事故死から生まれた歪なラストかもしれないが、感動も否応無しにねじこまれる。

 

ワイルド・スピードは1作目ラストの踏み切りに全てが詰まっている気がする。

立場や環境を超えた絆がこの一大アクション映画シリーズを形作って支えて来た。

ブライアンとドミニクはその象徴であり、その中心だった。

最高の2人はもう戻ってこないが、寂しくなったらまた過去作を観直そう。

 

 

その点でいえば、映画っていうのは素晴らしいものだなぁと改めて思う。都合の良い話かもしれないが、そこに感動があるなら何度でも観よう。