ウルトラ作戦◯◯号

映画の感想を中心に日々のことをつらつらと書いていきます。

『たりないふたり』の話

気づけば、ほぼ2カ月ぶりの更新だった。

定期的に更新できない自分を責めていても何にもならないので、何事もなかったかのように書いている。

 

更新していなかった間のおうち時間で得たものの内、

僕の記憶に残っている大きな成果は『たりないふたり』にハマったことだ。

記録も兼ねて魅力を紹介したい。(あまりお笑いには詳しくないのですが)

 

たりないふたり』とは

 『たりないふたり』とは南海キャンディーズ山里亮太とオードリーの若林正恭のユニット名であり、お笑いライブのタイトルであり、バラエティー番組名である。

人見知りで社交性・恋愛・社会性のたりないふたりがそれらを題材にしたトークや漫才を繰り広げるというものだ。

(もとは『潜在異色』という番組のスピンオフらしいのだがあまり詳しくないので割愛。)

 

「飲み会に行きたくない」「テレビのうまいやり方がわからない」「恋愛が出来ない」などといった、鬱屈しながらも誰にでも共通しうるテーマをとりあげて、それらをうまくかわす方法や逃げる方法を嬉しそうに語るふたりの姿は最高に面白い。

 初めてテレビ番組として放送されたのは2012年で、数年に一度のペースでテレビやライブとして帰ってくる。

 

テレビ放送された『たりないふたり』『もっとたりないふたり』、ライブとして行われた『たりふたSUMMER JAM '14 ~山里関節祭り~』や『さよなら たりないふたり~みなとみらいであいましょう~』は全てhuluにて視聴可能だ。

 

 

「たりない」のが面白い?

第1弾の『たりないふたり』は毎回「〇〇がたりない」というテーマを1つ置き、それに沿ったトークや企画を進め、ラストにテーマとトーク内容を踏まえた漫才を披露するという構成。お互いの持論やピンチを切り抜ける小技などを披露してはけなし合う姿が何とも面白い。

この形式は以降のシリーズでも踏襲されていくが、『もっとたりないふたり』では少し違った魅力が発揮される。

 

二人のお笑いの実力がぶつかり合っている感じがたまらなくアツいのだ。

「漫才がたりない」という回で打ち合わせする時間があまりになかったという理由から、舞台上で制限時間を設けてネタ作りを行い、そのまま漫才を披露するという挑戦が行われる。

ネタ作りも漫才も勿論面白いが、打ち合わせ通りにいかない(もしくは意図的に裏切る)姿も面白い。この無茶な企画を成立させてしまうのが恐ろしい。

 

またお互いの歴代のネタ帳をいじり倒すという回もあるのだが、皆が知っているオードリーと南海キャンディーズの漫才が発明された瞬間がネタ帳に刻まれており、何とも言えない感動に襲われる。

最終回の漫才はきっちり稽古されたものだが、明らかなアドリブが盛り込まれて崩れたかと思いきや綺麗なまとまりをみせたり…とにかくずっと面白い。

 

回を重ねる行く中でトーク内容が盛り込まれた漫才と漫才内のアドリブが繰り返されていき、どこまでが台本なんだ…?という気分にさせられる。 

 

集大成『さよなら たりないふたり

この魅力が大爆発したのが2019年の『さよなら たりないふたり』だ。

長らく活動自体が無かったが、山里亮太の結婚をきっかけに公式Twitterが再始動し、単発のライブという形で復活したもの。

ライブは「その場で漫才を作って披露する」という内容で、当日の舞台上で顔を合わせるまで二人の接触を一切封じるという徹底されたものだった。

 

しかし開始早々に若林が漫才会誌ボタンを押し、ネタ作りを強制終了。

合計2時間近い「完全アドリブ漫才」が繰り広げられることとなる。

 

山里の結婚はもちろん、この10年でお互いの身に起きたことを盛り込みながら即興で展開される漫才は圧巻の勢いで、面白いどころかむしろかっこよく見える。

huluの完全版は既に10回以上見てしまった。何度見ても笑ってしまう。

以前のシリーズを見ていなくても問題なく笑えるので、視聴可能な方は是非とも観て欲しい。 

 

もっと楽しめる著書

お互いの才能を羨んだり貶めたりの二人だが、それぞれの哲学や思考をもっと知りたくなったので本を読んでみた。kindleで手軽に読めるのもありがたい。

ナナメの夕暮れ (文春e-book)

ナナメの夕暮れ (文春e-book)

 

 『ナナメの夕暮れ』は雑誌『ダ・ヴィンチ』で連載されていたコラムに加筆修正を加えたもの。「たりなかった」自分自身と他人への視線を受け入れていく様は正直泣きそうになってしまった。

天才はあきらめた (朝日文庫)

天才はあきらめた (朝日文庫)

 

 『天才はあきらめた』には山里亮太が芸人を志した学生時代からの苦悩や挫折が赤裸々に綴られている。これを読んで以降、南海キャンディーズというコンビを観るだけでなんだかうれしくなってしまう。

 

まだまだ続く『たりないふたり

 そして2020年、早くも二人が帰ってきた。

たりないふたり2020〜春夏秋冬〜』というタイトルで、今年いっぱい季節ごとに放送される。

初回の春編は放映済みでこちらもhuluで未放映の内容を含めた完全版が視聴可能だ。

 

番組の内容はコロナウイルス流行の影響で漫才が出来ないので離れた距離でのネタ作り…のはずだが結局近況を絡めたトークを展開するというものだった。

いずれ披露されるネタに盛り込まれるのだろうか…なんて思っていると、エンディングでは今回のハイライトにセンターマイクを重ねて「もう漫才になっちゃってますよ」的な演出の映像が流れる。

自分が感じてたことは勘違いじゃなかったのかなというちょっとした安心感と、なんだかハメられたようなイラ立ちを感じるが、とにかく夏編が楽しみだ。

 

この番組にハマって以降、両者のラジオを聴くようになった。

深夜ラジオを毎週聴くというのは人生初だが、新しい趣味が広がるのもなんだか楽しい。

 

『さよなら たりないふたり』で若林が放った「人間は常に新しい環境の新人です」という言葉を思い出す。

ラジオもブログもまだまだ初心者だが、自分のペースで努力したり楽しんでいきたい。